「こういう時メガネって不便」と言われがちな5つのトピックス、その原因と対策
- 2022.06.10
- HOW TO
近視や遠視などをはじめ目の悪い方にとって、視力を矯正してくれるメガネは便利で必要不可欠なものです。
そして技術の発展により様々な付加価値を得ることができるようになり、ただの視力矯正アイテムという枠から飛び出しつつあります。
例えば、
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ドライブの際には通常のレンズではなく偏光レンズを使うことで目に乱反射された光が入ってくることを防ぎ、すっきりとした視界で安全運転を行う事ができます。
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スマホの画面を見やすくするスマホアシストレンズは、近くを見るときのピント調整をアシストしてくれますし、くもり止めコートは、マスク着用時のくもりを抑えてくれます。
レンズだけではなくフレームも進化しています。そもそもの強度や軽量化などはもちろんのこと、スポーツの際に便利なフィット素材や仕組み、あるいは花粉が目に入りにくくするカバーつきのものも市販されるようになっています。
一方で、不便に感じられる点があるのも事実です。
ただ、その中にはメガネの使い方やメガネ・レンズ選びによってかなり不便を解消できるものもたくさんあります。また逆に、どうしても対応が難しいものもあります。
そこでこの記事では、一般的に「不便だ」と言われる5つの項目について、メガネ専門店の立場から不便さを解消するためのポイントについてご案内します。
それぞれのトピックスに関する詳細記事のご紹介もしています。合わせてご覧下さい。
#お悩み1:曇る(温かいものを食べた時・マスク着用時)
どなたでも一度はメガネの曇りを悩ましく感じたことがあるのではないでしょうか。ラーメンなど湯気の立っている温かい物を食べているときに真っ白になってしまったり、マスク着用時に呼吸とともにメガネが曇ってしまうのは鬱陶しいものです。
あるいは、冬など寒い屋外から暖かい部屋に帰ってきたときや、熱気ただよう満員電車に乗ったときに、メガネが曇ってしまうこともありがちです。
なぜ曇ってしまうのか?
なぜ曇りが発生するかというと、レンズの表面に水滴が付着するからです。水滴がつくと光が乱反射してしまうため、まるですりガラスの向こうを見ているようにぼやけるのです。いわゆる「結露した」という状況です。
人間の吐く息には水蒸気が多く含まれています。マスクをつけていると吐く息がメガネに向かってしまうことで、結露を引き起こしやすくなります。
暖かい部屋や電車の中で曇ってしまう原因は何でしょうか。それは、外気で冷たくなったレンズが水分量の多い温かい空気に触れることで、空気に含まれる水蒸気が水に戻り、レンズに細かい水滴がつくことが原因です。
メガネの曇りを避けるためには?
曇りを避けるためには「水蒸気の多い空気にレンズを触れさせないようにする」ことと「レンズに水滴がつきづらくする」の2つの方法があります。
「水蒸気の多い空気にレンズを触れさせないようにする」というのは、よくマスク着用の際のTIPSとして言われる「マスクの上端に折り重ねたティッシュを挟んで息が上に漏れないようにする」が代表的です。あるいは、熱い麺類を食べているときには、湯気が発生しているお椀の上部に顔をかぶせないようにすることも効果的です、だいぶ曇りは抑えられます。
しかし、避けるにも限界があります。温度・湿度の高い部屋の中や電車の中に入る場合は、そもそも空間全体の湿度が高いので逃げ道がありません。
そこで2つ目の対策が「レンズに水滴がつきづらくする」です。
代表的なのが「くもり止めコーティングをほどこす」「くもり止めスプレーを使う」です。
どちらも対策の方向性としては同じです。
くもり止めコーティングは、レンズの表面に、水を弾くのではなく水となじみやすい親水性のコーティングを行い、水分を吸い込ませて水滴になるのを防ぎます。
くもり止めスプレーも同様で、主に界面活性剤(洗剤などに含まれている成分)を使って水滴の表面張力を弱くし蒸発しやすくして水滴を排除します。
一時的な対応で良ければスプレーがコストパフォーマンスの面で良いでしょう。ただ、コーティングでは一度おこなってしまえば長期間もちますので楽ですね。
そして、どちらにしても大事なのは「汚れをつけない」ことです。
なぜなら汚れがある、とそこが結露しやすくなるからです。
より詳しくはこちらの記事をぜひご覧下さい。
#お悩み2:運動時にずり落ちそうで不安
メガネをかけて運動をする方に多いのが「ズレる」「落ちる」という不安です。人間は腰が最も動かず、末端に行くほど動きが大きくなります。そのため頭部は運動の中で想像以上に動きます。また、汗をかけば余計ズレやすくなります。
メガネ自体、基本的には鼻パッドとつる(テンプル)でフィットさせて支えているだけであり、強固に固定しているわけではありません。運動ではなく日常生活の中で圧迫感を感じずに使うことを優先しているためです。そのためどうしても、スポーツやアウトドアなどではずり落ちそうになる不安が伴いがちです。
複数持ちがお勧め
おすすめの対処法は複数持ちです。スポーツ・アウトドアなどで使うメガネと、日常普段使いするメガネを替えるのです。もう1つ買うというと悩んでしまうかもしれませんが、複数持ちのメリットはたくさんあります。
まず、スポーツタイプのメガネは運動中の利用を想定して作られています。フィット感を高める仕組みを鼻パッドやつる(テンプル)に施したり、ズレにくくするために素材や作りを見直して大幅に軽量化しています。運動時にストレスにならない事を目指した作りになっています。
しかしその様な配慮をするとどうしても普段使いしづらい形状になってしまいがちです。そのため、シチュエーションにあった「普段使い用」「スポーツ用」と分けてしまった方が、自分にあった物を見つけやすいです。
見た目については、Zoffではスポーツ向けの「Zoff SPORTS」、ややカジュアル目で普段使いもできる「Zoff SPORTS SPORTY Type」、テンプルが伸び頭の後ろで取り付けることで頭を360度包み込みホールドしてくれる「Zoff SPORTS SLIDE Type」といった、シチュエーションに合わせたメガネのラインナップを取り揃えています。
スポーツで転倒したり、誰かとぶつかったりしてメガネが壊れてしまっても、日常使いの物が別にあれば、生活に大きな支障は出ません。
もし壊れたのが普段使いのメガネだったら、次の日以降の仕事や学校などに大きな影響を与えてしまいます。そう考えると不安になって思いっきり体を動かすこともできないのではないでしょうか。
スポーツごとの関連記事
それぞれのスポーツごとに、おすすめのポイントは異なります。以下の記事もぜひご覧下さい。
#お悩み3:海やプールで不便
夏であれば海やプールに行くこともありますよね。プールはエクササイズのために、季節を問わず通っている方も少なくないでしょう。そんなときに目が悪い方はどうしたらよいのでしょうか。これもメガネの不便な点としてよく挙げられるポイントです。
基本的にはメガネをプールに持ち込んではいけません。例外としては全く水に近づかずプールサイドで寝転がっているケースくらいでしょう。
市民プールやスポーツクラブのプールでは、アクセサリーなどと同様にメガネの着用が禁止されていることが一般的です。これは決まり事なのでどうしようもありません。
ウォーキングなどの場合に限ってプラスチックレンズが許可されているケースもあるようですが、リスクを考えるとやめるべきでしょう。
腰まで入るだけならいいのでは?と思いがちですが、プールはたくさんの人が使う場所。万一があっては施設にも利用者にも大きな迷惑がかかるので止めることをお勧めします。
プールにメガネをかけたまま入ることのリスク
落とす・壊す
まず何よりも水の中に落として紛失してしまうこと、さらにはそれを誰かが踏んでしまって破損してしまうことです。メガネ自体がダメになってしまうこともありますが、それ以上に水中で破片などを踏んだり、吸い込んでしまったら大きな怪我に繋がります。
メガネが痛む
また、水道に含まれる塩素はレンズにもフレームにもよくありません。また、乾いた塩素は白くなってメガネに付着しますので、キズがつかないように丁寧に洗わなくてはなりません。海の場合はさらに金属部分のサビに注意です。塩を含んでいますので、サビのリスクが大きいのです。
度付きゴーグルの活用をお勧め
基本的には水につかるなら、度付きゴーグルの活用をお勧めします。
ただ、度付きゴーグルはメガネ専門店では取り扱っていないことが多いです。Zoffでも取り扱いはありません。一般的にはスポーツ用品店で度数を調整して買う方が多いようです。
もし、水には入らない、プールサイドや砂浜に寝転がっているだけということでしたら、偏光レンズやカラーレンズ(サングラス)を活用してはいかがでしょうか。
偏光レンズは水面の乱反射を防いでくれます(ただし、水には弱いので濡らさないようにご注意下さい)。また、レンズに色が付いているので、まぶしさを防ぐことができます。
その他、プールでのメガネ活用については、こちらの記事もぜひご覧下さい。
#お悩み4:跡がついてしまう
メガネの跡が鼻についてしまう…顔の真ん中ですから目立って気になりますよね。メガネ跡ができる原因は、メガネの重量が鼻パッドに集中してしまい血行が悪くなるためです。
メガネの重量が鼻パッドに集中する原因は、フィッティングが合っておらず、メガネの重量をメガネ全体で受け止められていない事が多いです。
鼻パッドが鼻に合っていない、メガネの幅が広がっている、メガネのテンプル(つる)が耳に合っていない、メガネそのものが顔に合っていない等の原因が考えられます。また、そもそもメガネが重すぎるのかもしれません。
どの程度の重さでメガネ跡ができてしまうかは、肌質にもより人によって違います。そのため、どの程度の重さまでならメガネ跡ができない、とは一概に言えません。
しかし軽いものを選ぶに越したことはありません。メガネが軽ければ、鼻だけでなく耳への負担も軽減することができます。逆に軽くなったことによるデメリットはありません。
お勧めの対処法は「まずはフィッティングを見直してもらう」その上で改善しきれない場合は「軽量のメガネに替える」ことです。
より詳しい情報や、付いてしまったメガネ跡対策について等はこちらの記事をぜひご覧下さい。
#お悩み5:汚れを取る・洗うのが面倒
お手入れが面倒という事も、メガネの不便な点としてあげる方が多いです。
一方で、長く使っていくためには毎日のお手入れは必要です。
夜のルーティーンに加えるなどして、生活の中に組み込んで頂くと良いでしょう。長く快適に使うためには、多少面倒でもケアする事が必要だと考えて頂くことをお勧めします。
メガネの洗浄自体は、丁寧に行う、やってはいけないことを守る、洗った後はしっかりケースにしまう、など基本的なことをおさえれば難しいことはありません。
以下のページに具体的なやり方をまとめていますので、ぜひご覧下さい。
また、メガネ拭き自体のお手入れも大切です。汚れたメガネ拭きでは逆に汚れてしまったりキズがついてしまうかもしれません。メガネ拭きのお手入れ方法はこちらにまとめています。
メガネ店の前に置いてあることが多い超音波洗浄機は、いまや個人でも手に入る手軽な物になっています。メガネに限らず金属製のものの掃除に使えるということで、一部で流行っています。ではメガネもこれを使えば楽に毎日掃除ができるのでしょうか?
使おうと思っている方は、超音波洗浄機の原理や注意点などをまとめたこちらのページを見て頂いた上で、手洗いとの使い分けをして頂くことをお勧めします。
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